2014年7月4日金曜日

キャストインタビュー!放送記者他兼役 : 野津あおいさん

 こんにちは、スタッフSです。「8 -エイト-」の本番初日まで、いよいよあと一週間と迫ってきました。稽古場も一層、熱を帯びてきています。
 さて、今回のキャストインタビューでは、裁判の模様を伝える放送記者をはじめ、複数の役を兼ねて演じる野津あおいさんにお話しを伺いました。


2014年6月30日月曜日

「8」にまつわるエトセトラ。

こんにちは、スタッフのひぐこと申します。
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で、広報を担当しております。気づけば、今日で6月も終わりですね。いやはや…早いものです!

7月、いよいよ 朗読劇「8 -エイト-」が上演されます。また、同テーマのものとして、映画祭では ドキュメンタリー映画「アゲンスト8」の上映も決定しており、それらに先駆けて、プレイベントとして 読書会「8 -エイト- 」も開催が決定しています。
どうぞ皆さまには、7月を『8づくし月間』としてお楽しみ頂ければと思っています。

さて、このブログをお読みの方に一度お聞きしたいのですが、そもそも“8”って何の数字かご存知でしょうか?ホントに今更なお話で恐縮ですが…(汗)
日本では、なかなか馴染みの薄いトピックかもしれないと思いましたので、あらためてご説明させて下さい。

「8 -エイト-」の公式サイトやチラシにも記載させて頂いているのですが、“8”とは「Proposition 8(日本語で訳すと、提案8号)」から由来する数字です。
…ていうか「Proposition 8」って何よ、という突っ込みがすかさず入りそうですが、同性婚を禁止すべく、カリフォルニア州憲法の改正を求めた提案(憲法改正案)です。

もともと、カリフォルニア州では2008年5月に同性婚が認められて、6月からは次々と同性カップルの結婚が成立していったのですが、2008年11月に住民投票によってこの「提案8号」が採択されたことで、カリフォルニア州における同性婚は、認められてからわずか半年で再び禁止されてしまいました。
結果、多くの波紋が巻き起こり、2009年5月に2組の同性カップルが抗議のため、カリフォルニア州を提訴し、2010年1月から「提案8号」の是非を問う裁判が始まりました。この連邦地裁での訴訟こそが、今回の朗読劇「8 -エイト-」のモデルになった裁判なのです。

ちなみに、朗読劇のモデルになったこの第一審の判決後も戦いは続き、2013年6月に、連邦最高裁判所が「上訴に値する法的地位がない」という理由で、「提案8号」の支持者の訴えを棄却し、それを受けて同性婚が再び合法になりました。

今年の映画祭で上映されるドキュメンタリー映画「アゲンスト8」は、二組のカップルが裁判に挑むところから、勝利を勝ち取るまでの内幕を追いかけたものとなります。
ですので、朗読劇「8 -エイト-」(オモテ)とドキュメンタリー映画「アゲンスト8」(ウラ)をあわせてご覧いただければ、同性婚を巡る歴史的な裁判の全貌が、お分かり頂けるかと思います。

ちなみに、読書会「8 -エイト-」では、
Kimi's G-Spot」編集長の菅野紀美さん主催で、アメリカ同性婚裁判の顛末を追った本「Forcing the Spring(ジョー・ベッカー著)」を題材に、“8”に関わった主要人物たちの姿を洗い出し、共に語り・考え・体験するオープンなイベントを、7月6日(日)13時より東京ビジネスホテル2階ラウンジにて開催します。(※要予約)

読書会と聞くとちょっと堅苦しそうですが、誰でも話せるオープンな読書会です。資料や映像を観ながら、ときには台詞などを発しながら、より深く、楽しく、“8”を体験いただけるのではないかと考えています。
ちなみに、公式Twitterアカウント(@KimisCelluloid)でも情報発信中ですので、ぜひチェックして下さいね♫

ということで、ざっくり“8”の基礎知識をお伝えいたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか…??
ぜひこの夏は、“8”体験を通じて、皆さまにたくさんの発見・気づきが生まれますように!

※各イベントのリンク先はこちらです。

2014年6月22日日曜日

キャストインタビュー !ウォーカー判事役 : 西山真来さん

 こんにちは、スタッフSです。今回は稽古レポートではなく、「8 -エイト-」に出演するキャストのインタビューをお届けしたいと思います。
8 -エイト-」は一般公募のオーディションで集まった俳優を起用しており、個性派の方々が揃っています。本番まで、そんな俳優さんたちの素顔を、ちょっとずつインタビュー記事にて紹介していきます。
初回の今回はウォーカー役の西山真来さんです!


2014年6月20日金曜日

裁判傍聴&通し稽古

 こんにちは、スタッフSです。

 618日はフィールドワークと称し座組みのみんなで、裁判の傍聴に行って参りました。「8 -エイト-」は法廷劇ですが、キャストもスタッフも実際の裁判を見たことがない人がほとんど。実際の裁判を見ることで、「8 -エイト-」に活かせるものを模索してきました。


2014年6月16日月曜日

身体は何からできている?

どうも、スタッフKです。

みなさん、自分の身体って何からできているか、知っていますか?肉?水?それとも愛?どれも正解ですが(愛は議論の余地あり)、不正確な答ですね。
人間の身体というのは、実は約60兆個もの細胞から構成されているのです!さらに、その細胞をさらに細かくしていくと最終的には素粒子にはい、なんかみなさんの舌打ちが聞こえてくるのでここらへんで止めます。

自分の身体を考えるとき、どうしても腕、肩、腰などと考えてしまいがちです(別にそれがいけないわけではないのですが)。しかし、腕を細かくしていくと手の平があり、親指があり、爪があり、それはすべて細胞であり、それを更に細かくすると素粒子となるのです。その細胞や素粒子の粒を一つ一つ意識することで、人の感覚は研ぎ澄まされるのではないでしょうか?
ということで、稽古中にみんなで架空のうどんをこねてみました。実際これ、やってみると意外と楽しいのですが、普段足の裏としてしか意識していないものを、どうにかこうにか分解しなければならないので、なかなか難しいのです。役者さんもおいしいうどんを作ろうと切磋琢磨していました。「こしのあるうどん」ができた方や「ピザ生地」っぽくなった方など、足の裏の使い方にも人それぞれあるのですね。

さらに、前回の稽古では、鳥公園の『緑子の部屋』にも出演していた武井翔子さんをお招きして歌のレッスンを行いました。歌手・俳優として活躍している武井さんによると、「オペラを歌うにはイタリア人に、ロックを歌うにはなにかしらアメリカ人にならなければいけない」そうです。それをやって初めて、「外国人になれた自分」と「どうしてもなれない自分」が明らかになってくるのです。ということで、とりあえず身体から真似してみることがポイントとなるようなのですが、見よう見まねでやれば上手くいくわけではありません。重要なのは、「身体を細かく割っていく」ことなのだそうです。

「身体を細かくしていく」というのが、『8 -エイト-』では重要な要素となっているのです。それが、どう劇中に生かされているのか、是非劇場でお確かめください。


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2014年6月5日木曜日

公的な姿と私的な姿

 こんにちは、スタッフSです。
 突然ですが、ブログを読みにきて下さったあなたは、ごく親しい人にしか話せないことや、誰にも話せないことはありますか?話せないとまではいかなくても、公の場で積極的に話したいとは思えないことはありますか?無いわけないですね。僕はたくさんあります。

 特に他人から「なんであんな扱いをされなきゃいけないんだろう」って感じるような扱いを受けた経験とか、その時の自分の悔しさ・恥ずかしさについては、あまり大っぴらに話したくないですよね。

 さて、62日の稽古も長丁場で盛り沢山の内容でした。その中の一つで、登場人物が法廷という公的な場で振る舞う姿と、その背後にあるであろう素の側面との複層性を表現しようという試みが行われました。複層性ってなんでしょうか。たとえば、原告(同性婚の合法化を求めて裁判を起こした二組のカップル)を例にとると、裁判に勝つために弁護士と協力し公的な場でファイティングポーズを取っている面と、そもそもなぜこんな戦いをしなきゃいけないんだろうという私的な思いを抱えている面と、両方を持っているのではないかと思います。その複層性に注目してみると、彼らが差別的な振る舞いをされた時の経験や、婚姻関係がないばかりに恥ずかしい思いをした経験について法廷で語る時、その二つの層の間の緊張関係はどれほどのものなのかと考えさせられます。傷ついた経験と失った権利があるからこそ、公的な場でそれを取り戻そうと戦う気持ちが湧くのでしょうが、同時に、なんで皆に傷を晒すような戦いをしなくちゃいけないのか、なんで享受できて当たり前かもしれない権利のために苦労しなきゃいけないのかという正反対の気持ちも一方では存在しているかもしれません。

ここでは原告を例に書きましたが、他の登場人物も、そして現実の世界で生活している普段の僕たちも、職場や公的な集まりで見せている顔の奥に、いろんな思いを持っていますよね。そういう個々の人間の奥行きが垣間見える瞬間に、僕は日常生活でもフィクションでも感情をかき立てられます。

グダグダと書き連ねましたが、実際に劇では登場人物の複層性をどのように表現するのか。ここでは怪しげな画像を載せて、ほのめかすだけにしておきましょう。ぜひ、その目で確かめに劇場までいらして下さい。
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2014年5月31日土曜日

ジャック・カロをやってみる

 みなさん、こんにちは。『8 -エイト-』の演出助手のスタッフKです。

 突然ですが、みなさんジャック・カロってご存知ですか?映画監督?いえいえ、それはジャック・タチです(余計わからない)。ジャック・カロとはバロック期に活躍し、短い生涯で1400点以上もの作品を残した版画家なのです。現在、国立西洋美術館で展覧会が行われています(ちなみに、ジャック・タチの特集上映もイメージフォーラムで今度やります、はい、すみません)。

 前回の稽古では、3つのグループを作り、このジャック・カロの作品を実演しました。実演って何?と、みなさま思うかもしれません。実演といっても写実的に演じるわけではありません。ジャック・カロの作品に表現されているイメージやエッセンスを掴み取って、それを三次元の世界で表現してみる、というものです。

あるグループはカロの『「ローマの絵画」:聖ステパノの殉教』に挑戦していました。(http://collection.nmwa.go.jp/G.1987-0015.html)さて、カロの作品を見てから演じるまで約10分という限られた時間の中で、このグループはこの絵をどのように解釈し、表現したのでしょうか。

 ある女の人が男の人をぼこぼこにしています。これでもかってくらい突き飛ばしています。その周りでは女性が手をひらひらとさせて笑顔で見守っています。女の子が恐ろしげに眺めています。女の人は男の髪を引っ張って蹴り飛ばしました。そして、ついに凶器(といってもポーチかなんかだったと思いますが)を手に取り!!!「はい!」と恐ろしげに眺めていた女の子が言うと、全員の動きが止まりました。女の子は正面に出てきて椅子に座ります。そして一言、「この人今から、殉教します!」ニコニコ。

さて、なぜこうなったのか想像できますか?実際に、ジャック・カロの『「ローマの絵画」:聖ステパノの殉教』を見てみると、主に4種類のキャラクターに分けられると思います。聖ステパノ、ステパノを殺そうとする者、それを眺める群衆、そして天から見守る天使。なので上の芝居で言うと、男が聖ステパノ、ぼこぼこにしていた女の人がステパノを殺そうとする者、恐ろしげに眺めている女の子が群衆、手をひらひらさせている女性が天使、を表しているんですね。しかし、おもしろいのはここからです。カロの作品をよーく見てみると、左前の女性が何か変だと思いませんか?この人、一人だけ「視点」が違うように見えます。みんな殺される聖ステパノを眺めているのに、この女性だけ「われわれ」を見ているように思えます。そして、地面を見てみると、この女性がいる場所だけちょっと黒くなっていませんか?この女性、「視点」だけではなく、「空間」的にも他の人と違っているのです。このようなことから、この女性はカロの作品を見ている私たちに「この人、殉教するんだよー」と紹介する役割を果たしているのではないか、というのがこのグループの見解であり、それを芝居にして演じたのです。それにしても、10分でここまで考えて演じられるなんてやっぱり俳優ってすごい!


 ということで、「ジャック・カロをやってみる」でしたが、これってどう『8 -エイト-』と関係あるの?と思った方も多いでしょう。しかし、これが関係あるのです!ジャック・カロがどう『8 -エイト-』と繋がるのか、7月の本番でお確かめ下さい。チケット絶賛発売中です!https://ticket.corich.jp/apply/55498/